チュートリアル Clash初心者 VPNとの違い プロキシ入門

OpenAI Codex CLIをClashで使う設定方法|中国からの接続対策

2026年7月24日 更新日:2026年7月24日 読了目安:約10分

はじめに

OpenAI Codex CLI は、ターミナルからコードの生成、修正、説明、テスト作成などを行える開発者向けのコマンドラインツールです。エディターを開かずにリポジトリの内容を確認しながら作業できるため、サーバー上での開発や自動化されたワークフローとも相性がよく、2026年現在も注目を集めています。

一方、中国大陸から利用する場合は、ログイン画面が最後まで表示されない、認証後にターミナルへ戻れない、API リクエストが極端に遅い、あるいは接続が途中で切れるといった問題が発生することがあります。原因は Codex CLI そのものだけでなく、認証用ドメイン、API ドメイン、DNS、システムプロキシの動作がそれぞれ異なることにあります。

本記事では、ClashClash Verge Rev を使い、Codex CLI に必要な通信だけを適切なプロキシへ振り分ける方法を解説します。すべての通信を無条件にプロキシへ流すのではなく、国内サービスは DIRECT、OpenAI 関連の通信は専用のプロキシグループへ送る構成を目指します。

この記事のゴール

Codex CLI のログイン、API 通信、更新確認を安定させ、問題が起きたときに DNS・ルール・ノードのどこを確認すべきか判断できる状態を作ります。

1事前準備と接続の考え方

設定を始める前に、Clash が正常に動作していることと、OpenAI の利用条件を確認してください。Clash はプロキシクライアントであり、接続先のサーバーやサブスクリプションを自動で提供するものではありません。信頼できるプロバイダーから取得した設定ファイルを、使用中のクライアントへ読み込む必要があります。

  • Clash クライアント: Windows、macOS、Linux では Clash Verge Rev など、Mihomo コアに対応したクライアントを用意します。
  • 有効なプロファイル: ノード、プロキシグループ、ルールが含まれた YAML またはサブスクリプションを読み込みます。
  • OpenAI アカウント: 利用可能な地域、電話番号、支払い情報など、OpenAI 側の条件も別途満たしている必要があります。
  • ターミナル環境: Codex CLI が要求する Node.js、npm、Rust などの前提条件は、使用するバージョンの公式ドキュメントに合わせて確認します。

重要な注意

Clash の設定で地域制限やアカウントの利用条件そのものが変更されるわけではありません。規約や現地法令を確認し、許可された範囲で利用してください。また、アカウント情報や API キーを第三者へ渡さないでください。

Codex CLI の通信は、ブラウザーで表示されるページだけに限定されません。ログイン開始時には認証関連のドメイン、実行時には API エンドポイント、場合によっては静的ファイルや証明書確認用のドメインへアクセスします。そのため、ブラウザーだけがプロキシ接続できても、ターミナルの通信が直接接続になっていればログインは失敗します。

2Clash の基本設定と分流ルール

まず Clash Verge Rev にプロファイルを追加し、Mihomo コアが起動していることを確認します。サブスクリプションを更新したあと、利用可能なノードを一つ選択し、遅延だけでなく接続の安定性も確認してください。認証通信では短時間の速度より、接続が切れないことと IP が頻繁に変化しないことが重要です。

  1. Clash Verge Rev の「Profiles」でプロファイルをインポートします。
  2. プロファイルを選択して読み込み、必要なら「Proxy」で OpenAI 用のグループを作成します。
  3. システムプロキシを有効にします。TUN モードを利用する場合は、管理者権限やネットワーク拡張の許可も確認します。
  4. DNS の動作を確認したうえで、OpenAI 関連ドメインが同じプロキシグループへ送られるようルールを追加します。
OpenAI 用の基本ルール例
proxy-groups: - name: OpenAI type: select proxies: - JP-Node - SG-Node - US-Node - DIRECT rules: - DOMAIN-SUFFIX,openai.com,OpenAI - DOMAIN-SUFFIX,chatgpt.com,OpenAI - DOMAIN-SUFFIX,oaistatic.com,OpenAI - DOMAIN-SUFFIX,oaiusercontent.com,OpenAI - DOMAIN-SUFFIX,auth0.com,OpenAI - DOMAIN-KEYWORD,openai,OpenAI - MATCH,DIRECT

実際のドメインはサービスの更新によって変わる可能性があります。上記は考え方を示す例であり、現在の Codex CLI の公式ドキュメントや Clash の接続ログを確認して補正してください。認証画面が表示されても API が失敗する場合は、ログに出ているホスト名を確認し、必要なドメインだけを追加します。

DNS と TUN モードを確認する

DNS の名前解決が中国側のネットワークで処理されると、ドメインの解決に失敗したり、Clash のルール判定と実際の接続先が一致しなかったりすることがあります。Mihomo の DNS 機能を使う場合は、利用環境に合った DoH または DoT を選び、設定後に Clash の DNS ログを確認してください。

dns: enable: true enhanced-mode: fake-ip nameserver: - https://1.1.1.1/dns-query - https://dns.google/dns-query fallback: - tls://1.1.1.1

fake-ip は多くのアプリで便利ですが、開発ツール、仮想マシン、Docker、社内ネットワークなどと組み合わせると名前解決に影響する場合があります。問題が起きたときは、まず通常の DNS モードで再現するかを確認し、必要に応じて fake-ip-filter に社内ドメインやローカルホスト名を追加してください。TUN モードを使う場合も、既存の VPN や別の仮想ネットワークアダプターとの競合に注意します。

3Codex CLI のインストールと動作確認

Clash のプロキシを有効にした状態でターミナルを開き、Codex CLI を公式の案内に従ってインストールします。パッケージ名や推奨コマンドはリリースによって変更される可能性があるため、検索結果にある不明なインストーラーではなく、公式ドキュメントに記載された方法を使用してください。

ターミナルで確認する項目
  1. Codex CLI のバージョンを表示し、インストールが完了していることを確認します。
  2. ログインコマンドを実行し、表示された認証 URL をブラウザーで開きます。
  3. 認証後にターミナルへ戻り、セッションが保存されたことを確認します。
  4. 機密情報を含まない小さなテスト用ディレクトリで、コード説明などの簡単な要求を送信します。
codex --version codex login codex

CLI がシステムプロキシを認識しない場合は、利用するランタイムが参照する環境変数を確認します。一般的には次のような変数が使われますが、アプリケーションによって挙動が異なるため、設定後は接続ログで検証してください。

export HTTP_PROXY=http://127.0.0.1:7897 export HTTPS_PROXY=http://127.0.0.1:7897 export ALL_PROXY=socks5://127.0.0.1:7897

Windows PowerShell では環境変数の書式が異なります。また、Clash の混合ポート番号は環境によって 78907897 など異なるため、画面に表示されている実際のポートを使用してください。ポートを間違えると、ブラウザーは動作しているのに CLI だけがタイムアウトする状態になります。

接続ログの見方

Clash の「Logs」を開き、ログイン操作やテスト要求の直後に表示されるドメイン、使用されたルール、選択されたノードを確認します。OpenAI 関連通信がすべて同じグループへ入り、不要な国内通信までプロキシへ流れていない状態が理想です。

4よくある症状と対処法

接続できないときは、いきなり大量のルールを追加するのではなく、症状を一つずつ切り分けます。特に、認証の失敗と API の遅延は原因が異なることが多いため、ブラウザー、CLI、Clash ログを分けて確認することが大切です。

  • ログイン URL が開かない: システムプロキシまたはブラウザーのプロキシ設定を確認し、認証ドメインが Clash のプロキシグループへ入っているか確認します。
  • 認証後に CLI へ戻らない: ローカルのコールバックポートが他のアプリに占有されていないか、ファイアウォールや TUN モードが localhost 通信を妨げていないか確認します。
  • API が遅い: ノードを変更する前に、Clash の遅延、パケットロス、時間帯による混雑を比較します。高い帯域幅だけでなく、安定した TLS 接続を優先してください。
  • 401 や 403 が返る: API キー、ログイン状態、アカウントの権限、利用地域を確認します。これはネットワーク設定だけでは解決できない場合があります。
  • 途中で切断される: ノードの自動切り替えを一時的に停止し、同じ IP と同じプロキシグループで再試行します。認証中に IP が変わると、セキュリティ確認が再開されることがあります。

API キーを公開しない

ログファイル、スクリーンショット、Git のコミットに API キーや認証トークンを含めないでください。診断時は値を伏せ、不要になったキーは無効化して再発行します。

よくある質問

システムプロキシだけで Codex CLI は使えますか?

CLI が HTTP_PROXY や HTTPS_PROXY を正しく読み取る環境であれば、システムプロキシだけで動作する場合があります。ただし、CLI や依存ランタイムが独自のネットワーク処理を行う場合は、TUN モードのほうが確実です。まずシステムプロキシで試し、Clash のログに通信が現れない場合だけ TUN モードや環境変数を検討すると、原因を切り分けやすくなります。

すべての通信をプロキシへ送るべきですか?

必ずしもそうする必要はありません。国内の開発サービス、社内 Git、パッケージミラーまで海外ノードへ送ると、速度低下やアクセス制限の原因になります。OpenAI 関連だけを専用グループへ送るルールモードを基本とし、接続ログで不足するドメインがないか確認してください。

日本、シンガポール、米国のどのノードを選ぶべきですか?

地理的な近さだけで決めず、遅延、パケットロス、接続の安定性、IP の信頼性を比較してください。日本やシンガポールは距離の面で有利なことがあり、米国は OpenAI 関連サービスとの経路が安定する場合があります。同じ地域でも事業者や時間帯によって差があるため、Clash のテスト結果と実際の CLI 操作を組み合わせて選びます。

アップデート後に突然使えなくなった場合は?

まず Codex CLI のバージョン、Clash のコア、プロファイルの更新日時を確認します。新しい認証ドメインや API エンドポイントが追加されると、以前のルールでは通信が漏れることがあります。公式の変更履歴と Clash のログを照合し、必要なルールだけを追加したうえで、認証情報を再設定してください。

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