トラブルシューティング Clash初心者 VPNとの違い プロキシ入門

ClashでYouTubeが止まる・遅いときの原因と直し方ガイド

2026年8月22日 更新日:2026年8月22日 読了目安:約10分

はじめに

Clash を有効にしているときだけ YouTube の再生が止まったり、画質が自動的に下がったりする場合があります。この症状は、単純にインターネット回線が遅いことだけが原因とは限りません。ノードの混雑、プロキシモード、ルールの振り分け、DNS 応答、さらにはブラウザの接続方式が重なって発生することがあります。

特に、動画本体とサムネイル、広告、ログイン関連の通信が異なるドメインへ分散しているため、一部だけが別の経路へ送られると再生開始後にバッファリングが起きやすくなります。本ガイドでは、Clash Verge Rev や Mihomo を中心に、原因を切り分けながら YouTube を安定させる手順を紹介します。

この記事の目標

速度テストの数値だけで判断せず、ノード・モード・ルール・DNSを順番に確認し、安定して再生できる構成を見つけます。

まず確認したい主な原因

YouTube が止まるときは、最初から YAML を大きく変更するより、Clash を一時的に停止した状態と比較するのが効果的です。Clash をオフにすると正常に再生できるなら、端末や回線全体ではなく、プロキシ経路に問題がある可能性が高くなります。

  • ノードの混雑: 通信速度の上限が高く見えても、利用者が集中する時間帯にはパケットロスや瞬間的な遅延が発生します。
  • 遠すぎる経路: 近い地域のノードでも、実際の経路が長い場合は RTT が大きくなり、動画の先読みが追いつかないことがあります。
  • プロキシモードの不一致: ブラウザだけを対象にしたシステムプロキシでは、関連するバックグラウンド通信が別経路になる場合があります。
  • ルールの誤判定: YouTube の動画配信ドメインが DIRECT と PROXY に分かれると、接続の安定性が落ちることがあります。
  • DNS の遅延や不整合: 名前解決に時間がかかる、または地域に合わない CDN が選ばれると、再生開始や画質の切り替えが遅くなります。
  • 端末側の負荷: ブラウザの拡張機能、ハードウェアアクセラレーション、メモリ不足も、ネットワーク障害に似た停止を引き起こします。

注意

Clash の設定を変更しても、契約回線の混雑やプロバイダー側の制限、低品質なノード自体は改善できません。変更前に現在のプロファイルを保存し、一度に一つの項目だけを調整してください。

1安定したノードを選ぶ

YouTube の視聴では、瞬間的な最大速度よりも、長時間安定して通信できることが重要です。Clash Verge Rev のプロキシ画面で複数のノードを確認し、同じ時間帯に遅延と再生状態を比較しましょう。遅延が最も小さいノードが、必ずしも動画に最適とは限りません。

ノード比較で見るポイント
  • 遅延: 目安として低い値が望ましいですが、数値が安定しているかを優先します。
  • 損失: ping が速くてもパケットロスが発生するノードは、動画再生には向きません。
  • 実効速度: 1080p 以上を視聴する場合は、速度テストだけでなく実際の再生中の先読み量を確認します。
  • 時間帯の変化: 朝、夕方、夜間で結果が大きく変わるノードは、混雑の影響を受けやすい傾向があります。

まずは同じ地域にある2〜3個のノードを順番に試し、YouTube の画質を固定して5分程度再生します。1080pで停止がなく、シーク操作後もすぐに再開できるノードを候補にしてください。自動選択グループを使う場合も、定期的な URL テストだけではなく、実際の動画通信に合うかを確認することが大切です。

すべてのノードで同じように止まるなら、ノード変更を繰り返すより、次にプロキシモードとルールを確認します。逆に、特定のノードだけで問題が出るなら、そのノードをグループから一時的に外す方が早く解決できます。

2プロキシモードとルールを見直す

Clash のモードには、代表的に RuleGlobalDirect があります。通常は、通信先ごとに振り分けられる Rule モードが扱いやすい設定です。原因を切り分けるため、一時的に Global モードへ切り替えて、YouTube 全体を同じノードへ通してみる方法もあります。

  • Global で安定する: Rule の順番や YouTube 関連ドメインの判定に問題がある可能性があります。
  • Global でも止まる: ノードの品質、回線、DNS、端末側の問題を優先して確認します。
  • Direct で安定する: 利用地域や回線によっては、YouTube を直接接続した方が近い CDN に接続できる場合があります。

Rule モードを使う場合は、動画配信に関係するドメインが意図しないグループへ送られていないか、Clash の接続ログで確認します。以下は考え方を示す例です。実際のグループ名は、読み込んだプロファイル内の名称に合わせて変更してください。

rules: - DOMAIN-SUFFIX,youtube.com,YouTube - DOMAIN-SUFFIX,youtu.be,YouTube - DOMAIN-SUFFIX,googlevideo.com,YouTube - DOMAIN-SUFFIX,ytimg.com,YouTube - DOMAIN-SUFFIX,ggpht.com,YouTube - MATCH,DIRECT

ルール設定のポイント

ルールは上から順に評価されます。広すぎる DOMAIN-KEYWORD や、先に置いた GEOIP ルールが YouTube 関連通信を奪っていないか確認してください。ルールを追加した後は、プロファイルを保存して Clash の設定を再読み込みします。

ただし、YouTube のすべての通信を必ずプロキシへ送る必要があるとは限りません。地域、契約サービス、目的によって最適な経路は異なります。動画だけでなく Google アカウントのログインやコメント機能にも問題がある場合は、関連ドメインが異なるグループへ分散していないかをログで確認してください。

3DNSとTUNモードを調整する

DNS は動画データそのものの速度を直接決めるものではありませんが、接続先の決定や再生開始の速さに影響します。Clash と OS、ブラウザがそれぞれ別の DNS を利用していると、名前解決の経路が不統一になり、期待したルールが適用されないことがあります。

Mihomo の DNS 設定例
dns: enable: true enhanced-mode: fake-ip nameserver: - https://1.1.1.1/dns-query - https://dns.google/dns-query ipv6: false

上記はあくまで一例です。利用中のプロファイルが独自の DNS 設定を持っている場合は、重複や上書きの関係を確認してください。fake-ip が特定のアプリやサイトと相性が悪い場合は、redir-host を試すことで改善するケースもあります。切り替え後は DNS キャッシュをクリアし、ブラウザを再起動してから比較します。

Windows や Linux で TUN モードを利用する場合は、Clash Verge Rev に管理者権限を与え、他の VPN ソフトやセキュリティソフトのネットワークフィルターと競合していないか確認してください。macOS でも、複数の VPN、プロキシ、DNS 保護アプリを同時に動かすと、通信が二重に処理されることがあります。

TUN モードをオンにしただけで改善するとは限りません。ブラウザの通信だけを安定させたい場合は System Proxy、ゲームや他のアプリを含めて一括管理したい場合は TUN モードというように、目的に応じて選択してください。設定変更後は、接続ログで同じドメインが二重に記録されていないかも確認しましょう。

4再生テストとブラウザ側の確認

設定を変更したら、毎回同じ条件でテストします。動画を開いた直後の画質だけで判断せず、再生開始、シーク、全画面、10分程度の連続再生を確認してください。YouTube の「統計情報」を表示すると、現在の解像度、接続速度、バッファの状況を観察できます。

確認項目 見方 考えられる対策
再生開始まで長い DNS や初回接続が遅い DNS、ルール、ノードを確認
再生中に頻繁に停止 実効速度やパケットロスが不足 別ノード、別モードを試す
シーク後だけ止まる 動画配信経路が不安定 googlevideo.com の判定を確認
画質だけが下がる YouTube が速度不足と判断 混雑時間帯とノードを比較

Clash 側で問題が見つからない場合は、ブラウザの拡張機能を一時停止し、シークレットウィンドウでも再生してください。広告ブロックやプライバシー保護系の拡張機能が、動画プレーヤーや認証通信を妨げることがあります。また、ハードウェアアクセラレーションをオン・オフして、CPU 使用率と映像の滑らかさを比較するのも有効です。

スマートフォンでは Wi-Fi とモバイル通信を切り替え、Clash for Android の VPN 接続が確立した直後だけ症状が出るか確認します。アプリのバッテリー最適化が VPN サービスを停止している場合もあるため、バックグラウンド動作を制限しない設定にしてください。

よくある質問

速度テストでは速いのに、YouTube だけ止まるのはなぜですか?

一般的な速度テストと YouTube の動画配信では、接続先、通信時間、CDN、必要なストリーム数が異なります。短時間の測定で高い数値が出ても、継続的なパケットロスや経路の変動までは分からないことがあります。実際の動画を同じ画質で10分ほど再生し、バッファ量を比較してください。

Global モードにすると直りますが、そのまま使っても問題ありませんか?

原因の切り分けとしては有効ですが、すべての通信が同じノードを通るため、国内サービスの速度低下や不要な通信量の増加につながることがあります。Global で安定する場合は、接続ログを確認し、必要なドメインだけを Rule モードで同じグループへ振り分けるのがおすすめです。

DNS を変更すれば必ず改善しますか?

DNS は再生開始や接続先選択を改善する可能性がありますが、混雑したノードや低速な回線を高速化するものではありません。DNS を変更しても再生中の停止が続く場合は、ノードの実効速度、パケットロス、ルールの適用結果を優先して調べてください。

どの Clash クライアントを使えばよいですか?

Windows、macOS、Linux では Clash Verge Rev と Mihomo コアの組み合わせが、ルールや TUN モードを確認しやすい選択肢です。Android では Clash for Android 系の対応状況を確認し、利用中の OS とコアに合ったバージョンを選んでください。重要なのはクライアント名だけでなく、プロファイル、ノード品質、更新状態を揃えることです。

Clash で YouTube が止まる問題は、単一の魔法の設定で解決するものではありません。Clash を停止した場合との比較、ノードの交換、Rule と Global の比較、DNS の確認、ブラウザの切り分けという順番で進めれば、原因を見失いにくくなります。変更内容をメモしながら一項目ずつ戻せる状態にしておくと、安定した構成を長く維持できます。

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