はじめに
Claude Code は、ターミナルから自然言語で指示を出し、コードの読み取り、ファイル編集、テスト実行、Git 操作まで支援してくれる AI コーディングツールです。便利な一方で、ログイン、モデルへの接続、パッケージ取得など複数の通信先を利用するため、ネットワーク環境によっては認証画面が開かない、応答が途中で止まる、依存パッケージを取得できないといった問題が発生します。
本記事では、Clash Verge または Clash Verge Rev を使い、Claude Code を安定して利用するための基本的な考え方を解説します。特定のサービスへのアクセスを無理に変更するのではなく、利用規約と地域の法令を確認したうえで、必要な通信だけを適切なルートへ振り分けることを目標にします。
この記事のゴール
Clash Verge の導入、サブスクリプションの読み込み、TUN モードと分流ルールの確認、Claude Code のログインおよび通信テストまでを一通り完了します。
1事前準備と利用環境の確認
設定を始める前に、Claude Code と Clash Verge の両方が対応している環境を整えます。Clash Verge はデスクトップ上で動作するクライアントであり、通信を処理するコアと、サーバー情報を含むプロファイルは別々の要素です。アプリをインストールしただけでは、接続先やプロキシ回線が自動的に用意されるわけではありません。
- 対応 OS: Windows、macOS、Linux のいずれか。OS の更新後は、Clash Verge と Mihomo コアも対応版へ更新します。
- Clash プロファイル: 信頼できるサービスから提供されたサブスクリプション URL または YAML ファイルを準備します。
- Node の権限: 利用規約で禁止されていない用途か、通信量や同時接続数に制限がないかを確認します。
- Claude Code: 公式の手順に従ってインストールし、アカウントの認証情報を用意します。
重要な注意
Clash Verge は通信を制御するクライアントであり、Claude のアカウントや利用権を提供するものではありません。出所が不明な設定ファイルや、認証情報を要求する非公式ツールは使用しないでください。
2Clash Verge のインストールとプロファイル登録
まず公式または信頼できる配布元から、使用している OS に合った Clash Verge 系クライアントを入手します。名称が似た非公式アプリも存在するため、配布元、署名、リリース履歴を確認してからインストールしてください。インストール後はアプリを起動し、管理者権限やネットワーク拡張機能を求められた場合だけ、内容を確認して許可します。
- Clash Verge の Profiles またはプロファイル管理画面を開きます。
- プロバイダーから発行されたサブスクリプション URL を貼り付け、「Import」または追加ボタンを選択します。
- 読み込んだプロファイルを選択し、更新日時、Proxy グループ、Rules が表示されることを確認します。
- 更新に失敗する場合は、URL の期限切れ、コピー時の空白、サービス側の通信制限を確認します。
プロファイルを読み込めても、すぐに TUN モードを有効にする必要はありません。最初は通常のシステムプロキシで動作を確認し、ブラウザーやターミナルの通信が安定した後に、必要に応じて TUN モードへ進むと原因を切り分けやすくなります。
3基本設定と TUN モード
Claude Code はターミナルから動作しますが、ログイン画面をブラウザーで開いたり、Node.js のパッケージレジストリへ接続したりすることがあります。そのため、ターミナルだけ、ブラウザーだけの設定では通信経路が一致しない場合があります。まずは Clash Verge のプロキシグループで、応答が安定している Node を選びます。
| 設定項目 | 初心者向けの確認内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| Kernel | Mihomo を選択し、起動状態を確認する | プロファイルの機能とコアの対応を確認する |
| System Proxy | ブラウザーや対応アプリの通信を代理する | 一部のターミナル通信は対象外になる場合がある |
| TUN Mode | システム全体の通信を仮想インターフェースで処理する | 管理者権限、DNS、他の VPN との競合に注意する |
| Mode | Rule を基本にし、必要な通信だけを振り分ける | Global は原因調査用に限定すると管理しやすい |
コマンドラインからの通信がシステムプロキシを無視する場合は、TUN Mode を利用すると改善することがあります。ただし、TUN はすべてのアプリの通信に影響しやすいため、社内ネットワーク、オンラインゲーム、銀行サイトなどがある環境では慎重に有効化します。問題が出た場合は TUN を一度オフにし、System Proxy だけで再テストしてください。
設定のポイント
DNS モードや Fake-IP の設定はプロファイルごとに挙動が異なります。変更する場合は一項目ずつ行い、変更前の設定を保存しておくと復旧が簡単です。
4Claude Code 向けの分流ルールを考える
すべての通信を同じ Node に通すより、Claude Code に関係するドメインと、国内サービスや社内サービスを分けて管理する方が安定性と速度のバランスを取りやすくなります。実際のドメインはサービス仕様やバージョンによって変わるため、公式ドキュメント、Clash の接続ログ、ブラウザーの開発者ツールなどで確認したものだけを追加してください。
上記は考え方を示す例です。プロファイル内に Claude という Proxy グループが存在しない場合は、その名称に合わせて書き換えます。また、認証関連、静的ファイル、パッケージ配布などの通信先を一括で決めつけると、必要な通信を取りこぼしたり、逆に関係のない通信までプロキシへ送ったりすることがあります。
接続ログでルールを検証する
Claude Code を実行した状態で Clash Verge の Connections またはログ画面を開き、どのドメインがどのグループへ送られたかを確認します。ログイン画面だけ失敗するなら認証ドメインを、パッケージ取得だけ失敗するならレジストリや GitHub 関連のドメインを重点的に調べます。ルールを追加したら、古い接続を閉じてから再実行し、変更が反映されたかを確認してください。
5ログインと動作テスト
ネットワーク設定が完了したら、Claude Code の公式インストール手順を実行します。Node.js のバージョンやパッケージマネージャーの種類は公式要件に合わせ、古いグローバルパッケージが残っている場合は先に整理します。インストールコマンドが失敗したときは、Clash だけでなく、Node.js、証明書、レジストリ設定も確認する必要があります。
- Clash Verge でプロファイルを選択し、Proxy グループに利用する Node を設定します。
- ブラウザーでログインページを開き、認証が完了していることを確認します。
- ターミナルから Claude Code を起動し、表示された認証フローを公式の手順で完了します。
- 小さなテスト用プロジェクトで、ファイル一覧の確認、短い質問、テスト実行を順番に試します。
- Clash の接続ログで、失敗した通信が DIRECT や拒否状態になっていないか確認します。
第1段階:ブラウザーで認証ページを開く。
第2段階:ターミナルから DNS 解決と HTTPS 接続を確認する。
第3段階:Claude Code で短いプロンプトを送信する。
第4段階:パッケージ取得、Git 操作、テスト実行を含む実際の作業を行う。
6よくある問題と切り分け方法
エラーが発生した場合、Node を何度も変更する前に、どの段階で失敗しているかを分けて考えます。認証、API 通信、パッケージ取得では接続先が異なるため、同じ設定で一部だけ動かないこともあります。
- ログイン画面が開かない: System Proxy または TUN Mode が有効か、ブラウザーが別の VPN やプロキシを使用していないか確認します。
- 認証後にターミナルへ戻れない: ブラウザーとターミナルで通信経路が異なる可能性があります。TUN Mode を試す前に、環境変数や CLI のプロキシ設定を確認します。
- パッケージ取得に失敗する: npm の registry 設定、証明書、DNS、レジストリの接続ログを順番に確認します。
- 応答が途中で止まる: Node の混雑、接続のタイムアウト、長時間接続の切断を疑います。近い地域で安定した別 Node と比較します。
- 一部のサイトだけ開けない: ルールの順序を確認します。より具体的な DOMAIN ルールを上に置き、最後の MATCH ルールが先に適用されないようにします。
設定を戻す判断
社内システム、ローカルプリンター、決済ページなどに問題が出た場合は、TUN Mode や追加ルールを一度無効にしてください。仕事に必要な通信を止めてまで複雑な設定を続ける必要はありません。
よくある質問
Clash Verge と Clash Verge Rev のどちらを選べばよいですか?
使用する OS、プロジェクトの更新状況、Mihomo コアへの対応を基準に選びます。画面の名称や配置はバージョンによって異なるため、この記事のメニュー名と完全に一致しない場合があります。重要なのは、プロファイルを読み込めること、Rule モードと接続ログを利用できること、そして信頼できる配布元から入手することです。
TUN Mode は必ず有効にする必要がありますか?
必須ではありません。System Proxy だけでブラウザーと Claude Code が正常に動作するなら、その構成の方が影響範囲は小さくなります。ターミナルや別アプリの通信がプロキシを通らない場合に、TUN Mode を検討してください。
どの地域の Node が最適ですか?
地理的な近さだけでなく、混雑状況、パケットロス、長時間接続の安定性を比較します。複数の Node で同じ短いテストを行い、接続ログと応答時間を確認してください。無料 Node や出所不明の共有回線は、速度だけでなくアカウント安全性の面でも避けるのが無難です。
設定を変更したのに動作が変わりません。
プロファイルの再読み込み、既存接続の終了、DNS キャッシュの更新、ブラウザーの再起動を順番に行います。ルールの書式や Proxy グループ名が実際のプロファイルと一致しているかも確認してください。変更を一度に複数行へ加えるのではなく、一つずつテストすると原因を特定しやすくなります。
Claude Code を安定して使うために大切なのは、すべての通信を無条件にプロキシへ送ることではありません。公式の利用条件を確認し、信頼できるプロファイルを使用しながら、ログイン、API、パッケージ取得など必要な通信だけを観察して振り分けることです。Clash Verge の設定は、変更前の状態を保存し、接続ログを見ながら段階的に調整しましょう。