はじめに
Clash Verge Rev を Windows 11 で利用する場合、Clash を起動しただけでは、すべてのアプリケーションの通信が自動的にプロキシ経由になるわけではありません。ウェブブラウザーなど、Windows のプロキシ設定を参照するアプリを使うには、Clash Verge Rev の System Proxy を有効にする必要があります。
本記事では、Windows 11 に Clash Verge Rev をインストール済みで、利用できるプロファイルとプロキシノードが登録されていることを前提に、システムプロキシを有効にする手順を解説します。設定画面の確認、実際の動作確認、System Proxy と TUN Mode の違い、接続できない場合の見直しまで、順番に確認していきましょう。
この記事で確認できること
Clash Verge Rev の起動からプロファイル選択、ノード変更、Windows 11 のシステムプロキシ有効化、接続テストまでを一通り確認できます。
1システムプロキシの仕組みを理解する
システムプロキシとは、Windows に登録されたプロキシサーバーを、対応アプリケーションが利用する仕組みです。Clash Verge Rev で System Proxy をオンにすると、通常は 127.0.0.1 や localhost をアドレスとするローカルプロキシと、Clash が待ち受けるポート番号が Windows に設定されます。
この方式は、Edge、Chrome、Firefox、Microsoft Store アプリの一部など、OS のプロキシ設定を参照するアプリに適しています。一方、すべてのゲーム、コマンドラインツール、独自のネットワーク処理を行うアプリがシステムプロキシに対応しているとは限りません。そのため「System Proxy をオンにしたのに特定のアプリだけ直接接続される」という現象は、必ずしも Clash の故障ではありません。
| 項目 | System Proxy | TUN Mode |
|---|---|---|
| 主な対象 | OS のプロキシ設定に対応するアプリ | より広い範囲のシステム通信 |
| 設定の手軽さ | オン・オフが簡単 | 仮想ネットワーク権限などが必要な場合がある |
| 向いている用途 | ブラウザーや一般的なデスクトップアプリ | プロキシ非対応アプリや包括的な通信制御 |
重要なポイント
まずは System Proxy で動作を確認し、対象アプリがプロキシを認識しない場合にだけ TUN Mode を検討すると、原因を切り分けやすくなります。
2設定前に確認する項目
System Proxy は、Clash のコアとプロファイルが正常に動作していることを前提としています。ボタンをオンにする前に、次の項目を確認してください。
- Clash Verge Rev が起動している:タスクバーの通知領域に Clash のアイコンが表示されているか確認します。
- プロファイルが読み込まれている:「Profiles」または「プロファイル」画面に、利用する設定ファイルが表示されている必要があります。
- プロファイルが選択されている:読み込んだだけでは使用中にならない場合があるため、対象プロファイルを選択して有効化します。
- プロキシグループにノードがある:「Proxies」画面で、使用可能なノードまたは自動選択グループを確認します。
- ローカルポートが競合していない:HTTP や mixed port が無効、または他のソフトと同じポートを使っていないか確認します。
サブスクリプションを利用している場合は、プロバイダーから発行された正規のリンクを使用してください。リンクを第三者に公開したり、出所の不明な設定ファイルを読み込んだりすると、アカウント情報や通信の安全性に問題が生じる可能性があります。
先に確認してください
Clash Verge Rev はプロキシクライアントであり、接続先のサブスクリプションやノードを自動で提供するものではありません。プロファイルがない状態では、System Proxy を有効にしても通信は正常に転送できません。
3Windows 11でSystem Proxyを有効にする手順
ここから実際に設定します。画面の名称は使用しているバージョンや日本語化の状態によって少し異なる場合がありますが、基本的な流れは共通しています。
- Windows 11 のスタートメニューまたは通知領域から Clash Verge Rev を起動します。
- 画面上部または左側のメニューから「Profiles」を開き、利用するプロファイルを選択します。プロファイルに更新ボタンがある場合は、先に更新を実行してください。
- 「Proxies」画面を開き、メインのプロキシグループで利用するノードを選びます。自動選択グループを使う場合は、テストが完了したノードを指定します。
- 「Settings」を開き、一般設定またはシステム設定にある System Proxy のスイッチをオンにします。
- Windows の管理者確認や権限確認が表示された場合は、内容を確認して許可します。
- ブラウザーで新しいタブを開き、ページを再読み込みします。以前の接続情報が残っている場合があるため、必要に応じてブラウザーを再起動してください。
System Proxy をオンにすると、Windows の「設定」→「ネットワークとインターネット」→「プロキシ」に手動プロキシの情報が反映されることがあります。Clash Verge Rev が管理しているアドレスやポートを、手動で別の値に書き換えないでください。Clash 側の設定と Windows 側の設定が一致しなくなり、再起動後に通信できなくなることがあります。
Windows 11のプロキシ画面で確認する
Windows キーを押して「プロキシ」と検索し、「プロキシ設定」を開きます。「設定を自動的に検出する」の状態は環境によって異なりますが、Clash Verge Rev の System Proxy を利用する場合は、アプリが設定した手動プロキシまたは自動構成情報が登録されているかを確認します。ここで全項目を無作為にオンにすると、複数のプロキシ設定が競合する可能性があるため注意してください。
4接続とルールの動作を確認する
スイッチがオンになっただけで設定完了と判断せず、実際に通信が Clash を通過しているか確認しましょう。まずブラウザーで一般的なウェブサイトを開き、ページが表示されることを確認します。次に Clash Verge Rev の「Logs」画面を開き、ブラウザーのアクセスに対応する通信ログが表示されるかを確認してください。
ルールモードを使用している場合、すべての通信が同じノードを通るとは限りません。国内サービスは DIRECT、指定した海外ドメインはプロキシグループ、広告ドメインは REJECT というように、ルールに従って処理されます。ログの「Rule」や「Mode」の表示を確認すると、想定した分流になっているか判断できます。
- Clash Verge Rev のコアが「Running」または稼働中になっているか確認する。
- 「Proxies」で選択中のグループとノードが表示されているか確認する。
- 「Logs」でブラウザーの通信が記録されているか確認する。
- 必要に応じて IP 確認サービスを開き、想定した接続先になっているか確認する。
- 特定サイトだけを確認する場合は、ログからドメインと適用ルールを照合する。
なお、IP アドレスが変わらないことだけを理由に失敗と判断するのは避けてください。ルールが DIRECT を選択している場合、その通信は意図的に直接接続されます。テスト対象のドメイン、現在のモード、プロキシグループの選択状態を合わせて確認することが大切です。
接続できない場合の見直し
System Proxy を有効にした後にウェブページが開かない場合は、設定を一度に変更せず、下表の項目を上から順に確認してください。
| 症状 | 確認する内容 | 対処方法 |
|---|---|---|
| 全く接続できない | プロファイル、コア、ノード | プロファイルを更新し、別のノードを選択する |
| ブラウザーだけ接続できない | ブラウザー独自のプロキシ設定 | 拡張機能や個別設定を一時的に無効にする |
| 一部アプリだけ直接接続される | アプリのプロキシ対応状況 | アプリ設定を確認し、必要なら TUN Mode を検討する |
| 設定後にネットワークが不安定 | 他のVPNやプロキシの併用 | 競合するソフトを終了してから再テストする |
よくある原因と対処法
- ノードの期限切れ:接続先サーバーが停止している場合があります。別のノードを試し、サブスクリプションを更新してください。
- ポート競合:別の Clash クライアントや VPN が同じローカルポートを使用していると、プロキシが起動できないことがあります。不要なネットワークツールを終了してください。
- ルールによる直接接続:対象ドメインが
DIRECTになっている場合は、プロファイルのルールやモードを確認します。 - ブラウザーのキャッシュ:古い接続状態が残ることがあります。ブラウザーを完全に終了し、再起動してから確認してください。
- Windows Defenderやセキュリティソフト:ローカルポートへの通信を遮断している可能性があります。警告内容を確認し、信頼できるアプリとして許可します。
設定を戻す方法
通信が不安定になった場合は、Clash Verge Rev の System Proxy をオフにしてから Windows のプロキシ設定を確認してください。手動で残った設定があれば、変更前の状態に戻し、他のVPNアプリも終了して原因を切り分けます。
5安全かつ安定して使うためのポイント
System Proxy は便利な機能ですが、オンにしたまま放置するより、用途に合わせて運用するほうが安全です。自宅や職場のネットワークを切り替えたときは、現在のプロファイルとノードが適切か確認しましょう。
- 信頼できるプロバイダーのサブスクリプションだけを使用する。
- プロファイルやコアを定期的に更新し、古いノードを使い続けない。
- 銀行、社内システム、管理画面など重要なサービスでは、組織の利用規則を優先する。
- System Proxy と TUN Mode、他のVPNを同時に有効にして競合させない。
- 不要なときは System Proxy をオフにし、Windows の通常のネットワーク設定へ戻す。
もし目的がブラウザーの通信だけであれば、System Proxy で十分なことが多いでしょう。ゲームや一部の開発ツールなど、プロキシ設定を参照しないアプリまで対象にしたい場合は、TUN Mode の導入を検討します。ただし、TUN Mode はDNS、IPv6、ファイアウォール、管理者権限など確認事項が増えるため、最初から有効にする必要はありません。
よくある質問
System Proxyをオンにしても接続できないのはなぜですか?
System Proxy は通信をClashへ渡すだけで、利用可能なノードを保証する機能ではありません。プロファイルの選択状態、コアの稼働状態、ノードの有効期限、プロキシグループの選択を確認してください。また、他のVPNやプロキシが同時に動作していないかも重要です。
Windows 11ではTUN Modeが必須ですか?
いいえ。EdgeやChromeなど、システムプロキシに対応するアプリだけを使うなら、System Proxy で動作することが多いです。システムプロキシを参照しないアプリもClashで制御したい場合に、TUN Modeが候補になります。
Windowsのプロキシ画面でポート番号を手動入力してもよいですか?
基本的にはClash Verge Revに設定を任せてください。手動入力した値がClashの待ち受けポートと一致しない場合、通信できなくなります。ポートを変更したいときは、Windows側ではなくClash Verge Revの設定を確認し、変更後にSystem Proxyをいったんオフ・オンします。
一部のサイトだけ直接接続になるのは故障ですか?
必ずしも故障ではありません。ルールモードでは、ドメインごとにプロキシ経由、直接接続、遮断が振り分けられます。Clashのログで対象ドメインに適用されたルールを確認し、意図した動作であればそのまま利用できます。
Clash Verge RevのSystem Proxyは、Windows 11でブラウザーや対応アプリを手軽にプロキシ経由へ切り替えられる便利な機能です。まずプロファイルとノードを正常に動作させ、その後にSystem Proxyを有効化し、ログと実際のページ表示で確認するのが最も確実です。対象アプリが対応していない場合だけTUN Modeを検討すれば、設定の複雑化や不要なトラブルも避けられます。